2006年

独身時代、年に何度も一人旅に出ていた。無論、列車に乗って。
最近は、そうは行かない。数年に1度、家族に申し訳ないと思いつつ、
数日間の鉄道旅行に出かける。
貴重な機会なので無計画で気まぐれの旅には出来ない。
多少身分不相応の贅沢であっても好奇心を満足させたいと思う。
まだ国内で個室寝台に乗ったことが無い。是非乗ってみたい。
北海道行きはまだ大丈夫だと思うが、九州行きは衰退著しく、
辛うじて残っている東京発着と京都発着の1本ずつも
何時廃止になるか判らない。
鉄道車両にも自動車の車検に似た検査が何年に1度かあるのだが、
既に痛みの激しく設備も陳腐化した古した車両に対して、
もう一度実施するとは思えない。
利用者は少なく、整備にも手間が掛かり、採算は合わない。
おまけにダイヤ上、都市部では朝夕の通勤時間帯にぶつかり、
九州内では高速な電車特急に追いつかれ、邪魔な存在なのだ。

見納め、乗り納めしておかないと「一生悔いが残る」。
少々大げさだが、家族にはそう言い訳した。

仕事の都合をつけ、年末年始のアブノーマルな時期は避けて、
旅に出た。

午後、京都まで「のぞみ」で移動。
京都発の寝台特急「あかつき」に乗るのが目的なので、
まさに京都に移動するのだが、一応500系を選んで乗っておいた。
いずれ、博多まで500系に乗り時速300km/hも体験しておきたい。
N700系が主役になれば500系は東海道から追い出されてしまうだろう。

京都に降り立って駅の人の多さにびっくりした。
尤も通勤時間帯ではあったけど、これでは東京都と同じではないか。
京都を「静かな古都」とかってにイメージしていたのだ。
大阪方向から進入してきた「あかつき」は、上り通過線で待機した後
東京方面に移動し、下りホームに進入してきた。
ホームに売店は無く、乗車を待つ人もいない。
京都駅ホーム
数人が乗り、見送る人も無く、物悲しく発車した。
A寝台個室定員10名という国鉄時代に作られた車両としては、
最も贅沢な車両である。小型のテレビもありビデオも見られる。
車端にシャワー室や自動販売機もある。部屋も広い。
しかし、この車両に京都で乗った客は私を含め二人だけ。
新大阪でもう一人乗り、結局3人だけだった。設備が勿体無いと思う。
新大阪、大阪、三宮で乗車する人も殆ど無く、ホームにいる人が、
物珍しそうに眺めるだけ。九州行きの夜行列車なんて「特殊」な
乗り物といった感じだろう。年配者にとっては憧れの列車の筈だが
そういう目で眺める人はいなかった。
乗っているこっちの方が肩身が狭く恥ずかしくなってくる。

A個室内部

A個室通路

Bシングルツイン個室通路

Bツイン個室通路

Bソロ個室通路

B寝台通路

B寝台洗面所


鳥栖までは「なは」と併結運転


諫早駅で下車。

最後尾は座席指定車

長崎に向けて走り去る。

帰りは大分から東京行き寝台特急「富士」に乗る。
乗車時間が長いので、弁当2つとサンドイッチ、ビールとつまみにお茶
と両手いっぱい買い込んで乗車。
食堂車が無いのは仕方ないが、車内販売も一部の区間しか無い。
かつて東京から西鹿児島まで「富士」に乗ったことがある。
記憶も薄れてきたが、夕食と朝食の2回食堂車に行った。
寝台特急自体も贅沢だったし、食堂車も贅沢であった。少なくも私には

大分駅ホーム



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