2016年8月「三江線・福塩線にもう一度乗っておきたい」の旅
  2017/4/5 up   目次へ戻る
昨年8月、退職後にとっておけば良いような旅に出た。
何故か、三江線に関して嫌な予感がしたのだ。「もうすぐ廃止されるかもしれない。」と
最近は、鉄道ジャーナルなどの雑誌を買わなくなった。だから私は三江線の情報を知らなかったのだ。
ガラ空きのローカル線を思い描いていたが、乗ってみれば1両のキハは立ち客も多いほど満員だった。
「結構乗ってるじゃん、これならまだ大丈夫だ。」と廃止の噂を知らない私はそう思った。
カメラをもたない人も多かったし、窓外に関心を持たない人も多かったので地元の人だと思った。
三江線は本数が少ないので街へ行った帰りの人でいっぱいなのだと思った。
駅に着くたび少しずつ降りていきその内空くだろうと思っていたが、いつまでも満員のままだった。
変だと思い始めて、注意深く、車内の客の観察を始めると、全員三次まで行く気配なのだ。
後で解ったのだが災害復旧後の山口線をSLで津和野に行き、廃止の噂のある三江線に乗って
日帰りでぐるっと回って広島に戻るというエアコン涼み的旅行者が大勢乗っていたのだ。
なぜそれが分かったかというと、途中の口羽駅で交換する対向列車が遅延し、乗客が異様に苛立ち始めたのだ。
地元の客なら10分や20分くらいの遅延で文句を言ったりしない。
三次から広島への接続を心配する客が乗務員に詰め寄り始めた。
それで乗務員が総合指令所に接続を要請するために、交換待ちの間に乗り継ぎの人数を数えていた。
どうやら接続を取ることになったらしいが、次の広島行きも1時間待てばあることはある。
乗っている列車が遅延したために次の列車に接続できなくなって旅程が狂ってしまった経験は何度もある。
ローカル線同士の接続を取ったJRの処置に乾杯!でも接続と関係ない広島行きの乗客が遅れに遭うはめに。
判断の難しいところである。

さて、そんなことに出くわした今回の鉄道旅行であるが、旅の目的は他にもあった。
出雲市行きサンライズ出雲にお盆の時期に臨時列車が運行されるのだ。それにぜひ乗りたいと思った。
分割編成を持たない7両単独編成の出雲市行きは正規の列車の21分後に東京を出発する。
このサンライズ編成は全部で5編成有り正規の列車のために4編成が使われる。
残りの1編成は予備の編成で定期点検を受けていたり
故障が発生した時のために車庫で待機していたりすのだが繁忙期だけ5編成全部がフル稼働されるのだ。
従って車両そのものは臨時列車も正規の列車と全く同じである。
だが臨時列車なのでダイヤの隙間を縫って走る関係で出雲市駅到着は正規の列車よりかなり遅い。
言い換えれば、長い時間列車に乗れる。
私は「サンライズ出雲91号」の1階B個室シングルの寝台券を手にして乗り込んだ。
「91号」のA寝台券は1ヶ月前の午前10時にみどりの窓口に出向いたが取れなかった。
ちなみに高松からの帰りの正規のサンライズ瀬戸号のA寝台は10時を過ぎていたが取れた。
お盆の帰省客のために設定した列車なのに実際は鉄道マニアが乗っている。
では旅の写真を紹介していこう。
まずは、7両+7両で併結運転される正規のサンライズ号の連結部分


次は、臨時「サンライズ出雲91号」の案内表示


大阪ですっかり夜は明ける。大阪環状線が並走する。


美しい明石大橋は新幹線では見ることができない


岡山県に入ると山の形は山陽地方特有のものになる


伯備線に入り高梁川に近づくと三セクの井原鉄道を西へ分ける


鳥取との県境まで高梁川に寄り添って走る
正規のサンライズ出雲号だと目が覚めて外を見るとこの景色になることが多い


出雲市到着後、列車が車庫に引き上げるのを見守るマニア


出雲市から西へ山陰本線の車窓は日本海の美しい眺めが続く


三江線の起点は江津で、江津から中国地方の真ん中の三次まで江の川に沿って108.1km


川はゆったりと流れ、徐々に川幅も狭くなる









三次に到着したときは日が暮れていた。
広島に向かう人たちが急いで乗り継ぐのを横目に改札を出るが駅前は寂れていて人はいない。
時々長距離バスが走り去る道をホテルに向かう。
翌朝、福塩線で福山へ。三江線も30年ぶりだったが、福塩線も前回の記憶が無いほど久々である。






新見まで伸びる芸備線と塩町で分岐
かつては陰陽連絡の急行が走った芸備線の備後落合方面も超ローカル線になりつつある。



福塩線は途中の府中から電車になり、貴重な113系国鉄色が現役で使われていた。
笠岡から船に乗り人口僅か60人の飛島に一泊し、船を乗り継いで多度津に渡り、
高松からサンライズ瀬戸に乗って東京へ戻った。 目次へ戻る